ボランティア活動等

東日本大震災を今、もう一度振り返る

去る2016年1月14日(木)、名古屋教区・別院の宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要の事業として、東京教区の酒井義一先生をお招きし、東日本大震災を振り返る企画が教務所議事堂にて開催されました。

当日はスタッフや参加者として、でらボラの会員も多数参加。先生の講義を聞き、その後に班別に分かれて座談会をしました。

1.14-1

講義では「東日本大震災が私に問いかけるもの」というテーマのもと、あの日あの時から酒井先生がされてきた活動を振り返りながら、真宗における支援とは?ボランティアとは?など、たくさんの示唆をいただきしました。現地の方との出あいを通して「支援するものが支援される」と実感され、「私だけよければそれでいいのか?人間の悲しみに寄り添う人となれと、悲しみの只中にいる人たちから私たちの方が願われている」と自身に問い返された先生の言葉に感銘を受けました。また同じボランティアをする(人生を歩む)大先輩として、これまで現実と願いのはざまを幾度となくもがいてこられたであろう先生の生の言葉は本当にあたたかく、私たちを勇気付けていただきました。

震災という出来事を「あのことがなければ…」から「あのことがあったから…」と、ご縁をいただく転換を生むのが仏教であり、真宗の力動性です。私自身、あの震災をご縁にとても大切な宝物をたくさんいただきました。それでも「あのことがなければ…」とふと思い出してしまいます。しかしだからこそ、いただいた悲しみを離さないでいたいですし、そんな私を包み許してくれる仲間や現地の方のたくましい姿に励まされて、やっと歩んでいける私がいるのだと感じています。

1.14-2

ところでこの企画は来月2月の現地研修の事前学習会にあたるのですが、震災から間もなく5年となる今年、初めて現地に行くという方がたくさん参加してくださいました。私にはそのことがとても嬉しいことでした。なぜなら段々と震災の話題が巷でされなくなり、「もう復興は終わった」と言われ、無関心の日常に戻ろうとする如何ともしがたい世の流れを感じていたからです。もちろんそれは私自身の中にもあるのですが。しかし現地にも、現地以外にも、今も悲しみを受け止めることができずに苦しんでいる方々がおられます。その方々に「遅くなってしまったけれど、会いに行きます」と言ってくださる方がいるということにとても感動しました。

たまたま今回の震災に深いご縁をいただいた私にとって、だんだん風化されていく厳しい現実の中で、あの震災直後にたくさんの人々の中に垣間見えた「人間がいただいている悲しむ力」を、時に疑ってしまいました。しかし今回「ずっと気になっていたんです」という言葉に出あって改めて、人を疑う私自身と、自分が大事という思いに埋没してしまう心を問うていただきました。

もう一つ付け加えますと、でらボラの若いメンバーが一緒に現地に行きませんか?と、ある学習会に参加した皆さんをお誘いしたと聞きました。でらボラの仲間が、少しずつ少しずつ、この苦しみの世にぬくもりを広げようと頑張っています。私たちは目に見える大きな成果は挙げられていないかもしれませんが、みなさまから預かった募金という後押しを受けて、人と人をつなぐ「人の誕生」として確かに芽が出始めています。この日の内容の報告とは逸れますが、この場を借りてご報告させていただきます。

大河内

© 2014 Derabora Nagoya. All rights reserved.